今回は、ケビントの脇に飾ったこの本のお話を。
“Word On The Water”（水上の言葉）という何とも趣きのある名前の本屋さんがロンドンにあります。Googleマップで調べてもらえたらお分かりになると思いますが、川の上にある…そう、リージェンツ運河に浮かんでいる船を改装した本屋さんなのです。
もともと本屋巡りが大好き。それが水上にあるとなれば、どんな歴史的建造物よりも先に訪れてみたくなります。
ハリーポッターで有名な”9と3/4番線プラットホーム”のある「キングス・クロス駅」を出て（ハリポタ好きさんは記念写真もどうぞ！）、少し北上したところにこの本屋はあります。
開店時間と同時に行ったからか、辺りにはのんびりと本を並べている店主と思われるおじさんだけ。あっ、ワンコもお出向かえしてくれました！
“What his name?”(オスかどうかは知らない)と尋ねると、”Star”だと教えてくれました。お目目がキラキラ、ぴったり☆
船内に入ってみると、ところ狭しと、でもきちんと作者やカテゴリ別に丁寧に並んでいる数多の本たち。
せっかくなので英国的な本を…と探したのかは記憶にないけれど、気づくとこのシャーロックホームズの本を手に取っていました。
しっくりと手に馴染むサイズと金縁が映えるマルーン色の表紙。はらりとした中の紙の質感も好みで、即、連れ帰ることを決めました。
なるほどこんな選び方はオンラインや電子書籍では味わえません。
今では、（私同様）推理小説好きに育った息子が、日本語訳の”赤毛連盟”などと読み比べながら、
「へぇっ、英語ではこんな風に言うんだ！」などと、ただ飾っておくだけではなく、しっかり実用、いや実読してくれていて喜ばしい限り。
今もこのページをめくると、人懐っこいスターくんと、あのちょっと曇りがかったロンドンの運河の空気を思い出させてくれます。
